第1282回 門徒葬後の朗読法話

 平成29年 8月 24日〜

いま、ご門徒や有縁の人びと、ご親族が あい集まり、
法名 ○○院・釈○○ どの、○○山 ○○寺 
第十六代 坊守さまの葬儀のおつとめをいたしました。

 ひとこと、ご法話を(朗読)させていただきます。
私たちは、かねてより、大切な方を送るということについては、
覚悟していたつもりですが、いざ、このような別れのときにあうと、
ほんとうに悲しく、もっともっと、あれもこれも、できるだけのこと
をしておけばよかったと、悔やまれるものです。

 後になって思うことの例えとして
「孝行の、したいときには親はなし」といいますが、返しきれない

ご恩をうけたことが、今さらながら思い出されるものです。
坊守さまが、一生懸命に生きてこられた、そのうしろ姿を見て来られた
皆さまには、そのご苦労は、身にしみて受けとめておられることでしょう。
お寺のため、ご門徒のためにご尽力くださいましたこと、誠に有り難う
ざいました。長い間ご苦労さまでしたと、今はお浄土へ生れて往かれた
坊守さまに、心よりお礼を申しあげなければなりません。

 これからは直接、言葉をかわしたり、顔をあわせる生活は できな
くなりましたが、お浄土に生れて、おさとりの身となられた方は
私たちをお導きくださる方となられたのです。

親鸞聖人は著書の「教行信証」の最後に、七高僧の一人、道綽禅師の
ご著作である「安楽集」をひかれて、
「さきに 生まれた者は後を導き、後に残された者は、さきに往かれた
方々のみあとを、訪ねるようにしなさい」とおすすめになっています。

 これからは、坊守さまの生き方をしのび、お念仏を申す中で、また
お浄土であわせていただくことは勿論ですが、私が口に南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏と お念仏するとき、今ここにいて、はげまし見守り導いて
いただいていると味わえる人生を送らせていただきたいものです。

残された方々が、亡き坊守さまと同じ喜びを受け取っていただくことが、
お念仏の教えに出遇って、お浄土への道を歩み、生き甲斐ある喜び多い豊かな
人生を送っていただくことが、最高のご恩返しになるものと、味わいます。

これまでのご苦労に感謝し、これからも私たちを導いていたく、仏さまに
なれましたこと、ここに報恩のお念仏を申したいと思います。

 では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏……。

 隣のお寺の門徒葬で、こんな法話を朗読させていただきました。
 本願寺出版社 朗読法話集 第一集 特別法話 両親との別れを
 元にしています。

          


           私も一言(伝言板)