第1274回 念仏は 喜び

 平成29年 6月29日~

 科学の進歩で沢山のことが分かってきました。
人工知能の開発を進める中で、人間の脳のはたらきや特長の研究が進み、多くのことが
急激に解明されています。
その結果の一つとして、男性の脳と、女性の脳とは、機能にかなりの違いがあること。

これが男と女や夫婦の間のすれ違いを生み出している原因だと分かってきたといいます。

 テレビの番組で、出産や育児の時に盛んに出るホルモン、オキシトシンを 取り上げて、
体の中で起こっている神秘を解説していました。

母親になると、幸せホルモンである、このオキシトシンが大量に分泌されるようになり、
授乳や育児など、やっかいなことも喜びのうちに、すすんで出来るようになるのだといいます。

 いままで、自分本位であった人が、母親になると、子どものために
献身的になれることが出来、しかも、幸せを感じながらすすんで取り組めるように
なるのは脳の中に、大きな変化が起こっているためだということです。
梅干しを見た時、ひとりでに唾液が出るように、悲しいことに出会うと
涙が自然にあふれ出るように、緊張すると顔が赤くなり、どきどきするように、
体の中で、私の意思に関係無く、変化が起こっているのでしょう。

 ところで、お念仏、南無阿弥陀仏に出あい、仏さまのお話を聞いている人が、
どうして、にこやかで、喜びの表情を見せながら、いきいきと生活しておられるのか
それは仏さまの大きなはたらきで、信心をいただいたお陰なのでしょうが、
実は、念仏する人の脳の中や体の中で、大きな変化が起きているのではないかと思えます。

「南無阿弥陀仏をとなふれば 観音・勢至はもろともに
 恒沙塵数の菩薩と かげのごとくに身にそへり」

「南無阿弥陀仏をとなふれば 十方無量の諸仏は
 百重千重囲繞して よろこびまもりたまふなり」などのご和讚にもあるように
「お前によりそい、いつも見守り、必ずお浄土へ迎えとるぞ、心配いらんぞ」と
 南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏と、いつも呼び続けられていると受け取れることで
お念仏を口にし、耳で聞く人に、変化が起こっているのでしょう。

 また、研究がすすむ中で、明らかになったことに、自分が得をする為に
行動するよりも、他の人の為になる、利他的な行動をしたときの方が、この幸せホルモンは 
大量に分泌され、その結果、喜びを大きく感じることが出来るのだということです。
今は、自分本位の私も、やがてお浄土に生まれると、利他のはたらきをする仏に成れる
もうすでに、仏の仲間だと 味わえてくれば、体の中に 幸せホルモンが自然に
湧き出してきて、いきいきとした喜び多い毎日を送らせていただいているのでしょう。

 是非、この南無阿弥陀仏に出会って、喜び多い人生を送ってくれ、
ご和讚では、「本願力にあいぬれば、むなしくすぐるひとぞなき・・・」

どうか、出会ってくれ、南無阿弥陀仏を口にするお念仏の生活をしてくれ、それが
仏の願いであり、子どもの幸せを願う、親の思いであると、いつでも、どこでも
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と、この私に常に呼びかけていただいているのだろうと、
味わいます。


          


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