第1266回 念仏の声

平成29年 5月4日~

大阪の津村別院から出ている「御堂さん」という月刊誌の
子育て相談室、 親子通信簿の記事に 65歳のおばあちゃんからの
質問があり青少年カウンセラーの外松太恵子さんが答えておられる
ところがありました。

質問は こんな内容です。


 東京に住んでいる長男家族が、時々実家に帰ってきます。
その時、私が小学3年生の孫に、「仏さまにおまいりしようね」と、
仏間に連れて行こうとすると、「強制しないでください。小さい時は
黙っていましたが、小学生になったのでやめてください。宗教は、
個人の自由です」と嫁が言いました。
 父親である息子は、子どものころから祖母と一緒に小さな手を
合わせて育ちました。私はどうしても孫に仏さまのことを伝えたいのです。
母親に、どのように話せばいいでしょうか(祖母六十五歳)

という 質問です。

これに対してこんな答えがありました。

 都会では、お仏壇のない家庭が多い現代です。
あなたと同じような思いを持っている方も多いことでしょう。
だからこそ帰郷した時に、大切なことを伝えたいというおばあさまの
気持ちに共感して読ませていただきました。

 まず、父親である息子さんは、夫として、父親として、どのように思って

いるのでしょうか。
まだ小学生だから、もう少し大きくなって考えてもいいと思っているの

でしょうか。

 以前にも書きましたが、学童期(児童期)に大脳は生理学的に前頭葉が

働き出し、脳幹などに情報を増やしていきます。
コンピューターのソフトウェアに相当する前頭葉に、メモリーを増やすのと
同じです。

 どんな高価なコンピューターでも、情報が記憶されていなければ、単な
る機器にすぎません。

 今、お孫さんの柔らかな脳には、どんな情報も記憶されているのです。
うれしいことや良いこと、感動することばかりではなく、悲しいことも
悔しいことも、心と体で経験したことのすべてが、少年時代のかけがえのない
宝ものとなるのです。

 ましてや、都会を離れた非日常の数々は新鮮でありましょう。
おばあさまとお仏壇の前に座り、仏さまのお話や、会ったこともない
先祖のこと、お孫さんのいのちの尊いルーツを話してあげれば、
知識欲も満たされ、おばあさまとご一緒にいることを喜んで
くださるように思います。
お嫁さんにも、人生の先輩として話してみませんか。

 それこそ、この「御堂さん」を読んでもらってください。『御堂さん』は
「お寺の門前を素通りする人」に読んでいただきたいとの願いで
刊行しているからです。

 おばあさまの願いを、“どうせ”とあきらめないで、ご相談くださって
うれしく思います。
“せっかく”のご縁で結ばれたご家族ですから、たとえご一緒に手を

合わさなくても、お念仏の声を聞かせてあげてください。

 と答えてありました。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏のお念仏の声を聞かせてあげることが、
耳に聞こえるお念仏が、お孫さんにとって、素晴らし豊かな人生を、
受取る尊いご縁となり、お孫さん、曾孫さんへと相続されていくことに
なるのだろうと思います。



          


           私も一言(伝言板)