第1157回 葬儀は何故するの 〜自分の真の姿を発見する〜

 
平成27年 3月26日〜

巡番報恩講の手作り冊子にこんな文章を掲載しました。 

葬儀は、大切な方の死を厳粛に受け止め、あらためて命の不思議を感じ、
亡き方をご縁に、阿弥陀如来の救いの真実を学ばせていただく最も尊いお念仏の行事です。

亡くなった方のための仏教行事と思っている方もありましょうが、むしろ、
亡くなった方に、本当の人生とは何かということを、私たちが学ばせていただく場なのです。   

生あるものは必ず死ななければならないという諸行無常こそ、絶対の事実であることを、
亡き人が、身を以て私たちに教えてくださる一生一度の無言の説法の場です。

亡くなられた方の真の願いを受けとめて、老病死を解決できる真実の教えに遇い、
念仏を称えることの出来る身にしていただくこと、そのことこそが、葬儀の本義なのです。   

迷惑を掛けるので簡単に直葬で済まそうなどと考えずに、たった一度の尊いご縁を
大切にお勤めしたいものです。

特に、親元を離れて、都会で生活している方は、通夜・葬儀で父母の友人や
近所の人たちと言葉を交わすことで、亡き方が心豊かな人生を送られていた 

そのことを確認出来る貴重な機会です。

また、自分の性格や特徴の多くが、実は親から受け継いだ素養であったことも、
発見でき、気づいていなかった自分の真の姿を見つけ出すチャンスでもあります。


         


           私も一言(伝言板)