第1082回 ゆらぐ心の支え ~それが真実の教え~

 平成25年 10月17日~

 愛・お金・健康・地位・名誉、あるいは自分の能力などが
多くの人には 大きな精神の支えになっているようです。

しかし、第三者的視点に立って、これらの支えを見ると
そのいずれもが絶対的な確固不動のものはなく、きわめて不安定で
もろい性質のものであることは、一目瞭然であります。

それなのに、自己の問題としては そのことが見えないのです。
私どもは無意識のうちに これらのものに もたれかかって、
精神的安定を得ているのです。

  まぼろしの 柱ありけり 女あまた
   命をかけて やすらひよれり  九條武子 無憂樹

これは九條武子さんの歌です。
「あまたの女性」とありますが、これは人間一般を指しているのでしょう。
「幻の柱」ですから、いのちをかけて もたれかかったら、
私は転倒するしかないのです。

それなのに、幻の柱を確固たるものとして夢見ているのです。
夢ですから、やがて厳粛な現実によって破られるのは必然であります。

このような危険な夢を見る理由は、その夢が一見極めて心地よいからです。
また、確固不動な絶対のもののように振る舞うからです。

そして もう一点は 真に確固不動の絶対的支えになるものを

知らないからであります。

私がいのちをかけて安らって裏切られることのないものは、
真実の教えのなかにしかありません。

愛やお金や健康や地位が精神的支えになると夢見るのは我執に
基づく妄想で これを振り捨てなければ 信を得ることができない、
自力の心の一種であります。  (霊山勝海師 やさしい真宗講座)

本当に頼りになるもの 私の支えになるもの 若いときだけではなく 
健康な時だけではなく 年をとっても病気をしても、どんな時でも、

支えとなるもの、それは真実の教え お釈迦さまが説かれ 法然聖人
親鸞聖人が お勧めいただく 南無阿弥陀仏の教え、
せっかく人間に生まれても 仏法に会えなければ むなしい人生となるもの。

南無阿弥陀仏の教えを聞き、南無阿弥陀仏を口に 頼りとして 
生かさせていただきたいものです。


妙念寺電話サービス 次回は 1024日に新しい内容に変わります。


         


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