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第三話

ミーとケイが“酒場の歌姫”になって、
おたずね者を愛してしまう西部劇編。


話はアメリカの西部へ飛んで、ここはテキサスのある町。ミーとケイは、西部の荒くれ男たちがたむろする酒場の歌姫なんだ。
今歌い終わった2人に、大ボスのガーリックが声をかける。

「流れ者のシュガーの居場所を知ってるだろう。教えてくれ」

ケイはシュガーに心を寄せている。だから、口がさけたって言うわけにはいかない。ガーリックの子分シナモン、ビネガー、タバスコなんていう連中が、おっかない顔でつめ寄った。

「シュガーは、どこにいるんだ!」

そのとき、入り口の戸がパッと開いて、「ここだ!」と、シュガーが姿をあらわした。これが、さっそうとした二枚目のカウボーイ。ガーリック親分は、どうやら牛泥棒をやらかそうとして、このシュガーに邪魔されたらしい。

「いいところへ来たな、シュガー。おとしまえをつけてやるぜ」

というわけで、ガーリック一家とシュガーのあいだに,、たちまち大乱闘がくりひろげられる。卑怯にも子分の1人は、ピストルでシュガーの背中をねらった。だが、気がついたケイが、体当たりをくわせた。さあ、今度はピストルの派手な射ち合い。でも、こんな場合、二枚目は、必ず勝つときまってるんだな。シュガーは型に怪我をしながらも、子分2人を撃ち殺して、馬で逃げ去って行った。
あとに残ったケイとミーは、ガーリック一家に取り囲まれた。

「よくも邪魔してくれたな。オレたちと一緒に来るんだ!」
「関係ないわ。お断りします!」
「おとなしく来りゃあいいんだ!」


2人が、荒れく男達に引っ立てられようとしたとき、

「野郎ども、神妙にしろ!」

と、ピストルをかまえて飛び込んできたのがペッパー保安官。

「この2人は町の人気者だ。指1本触れたら、オレが許さねぇ」

イキがって2人を助けた保安官。しかし、このペッパーさんもまた、シュガーを人殺しのおたずね者として追っていたのだ。

 ♪私の胸の鍵を こわして逃げていった
  あいつはどこにいるのか 盗んだ心返せ
  ウー ウォンテッド ウォンテッド・・・・・

ガーリック一家は、ペッパーに先をこされてなるものかと、血まなこでシュガーの行方をさがし求めた。だが、どうしても見つからない。
その頃、傷ついたシュガーは、ある谷川のほとりで、ケイのかいがいしい介抱を受けていた。

「どこまで逃げるつもりなの?」
「さあ・・・・・。国境を越えれば、なんとかなるさ」
「私も連れて行って!」
「オレは人殺しのおたずね者だ。ケイを巻きぞえにはできないよ」
「私はどうなってもいいの。あなたと一緒にいられれば・・・・・」

一方、ミーは、保安官の事務所に連れて来られ、ペッパーから、シュガーとケイの行方を厳しく問い詰められていた。でもミーは、ケイの恋の為に、何も言おうとはしない。

 ♪ペッパー警部 邪魔をしないで
  ペッパー警部私たちこれからいいところ・・・・・

シュガーと逃げるために、酒場へ荷物を取りに帰ってきたケイは、ペッパーにつきまとわれて、身動きがとれなくなったしかたなく、ミーと共に酒場で歌うケイ。そこへ変装したシュガーが、そっと入ってきた。
しかし、そこにはペッパー保安官の目が光っていた。そして、ガーリック一家も・・・・・。ガーリックのピストルが火を吹くシュガーをかばったケイの胸に、その弾丸は命中した。彼女を助け起こそうとするシュガーの頭にも、射ち抜かれてしまった。
数日後・・・・・。真新しい2つの十字架の前に、花を捧げるミー。

「ケイちゃん、こんど生まれ変わったら、また一緒に歌おうね」

涙に頬を濡らしながら、やがてミーは、いずこともなく立ち去って行ったのだった。
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