MAMMA MIA / ABBA
Mamma Mia / Intermezzo No.1
September 1975 POLAR
ジパング
阿久 悠:作詩  都倉俊一:作曲  都倉俊一:編曲
79/03/09発売(SV-6554)


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PINK LADY /ピンク・レディーにとって11枚めのシングルである。ここまで発表してきた10枚のシングルはどちらかというと押しの強いイメージの楽曲をシングル曲として発表してきている。

この『ジパンク』は音楽的側面からみると、今までのPINK LADYのシングル曲とは明らかに変化を感じる。79年はPINK LADYがアメリカでの活動を強化する時期に入ってきている状況下において、アメリカ的なPINK LADYを日本でのシングルで聴かせてくれたのは『マンデー・モナリザ・クラブ』になるのだが、いきなり日本での楽曲もアメリカ的要素の楽曲を制作するという戦略に出る前に、ヨーロッパでの当時のスーパースターであり、PINK LADYと同時期にアメリカ進出に力を入れ始めていたABBA / アバの世界をこの『ジパング』で読み取ることができる。

ABBAの音楽制作は、男性メンバー、Bjorn Ulvaeus / ビヨルンとBenny Andersson / ペニ一の手によって制作。
作品には初期の段階で大きな個性が核となって存在している。ABBA本人達が発言していることでもあるが、ミュージカル音楽からの影響である。

ミュージカルで使われる楽曲というのは、メロディーラインが独特な音符の並びで構成されている部分がある。細かい音符が忙しくスピード感溢れて連なっていたり、かと思うと次の展開には流れるような美しいメロディーが登場したり、そんないくつかの展開が繋がることで組曲が出来上がる。そんな組曲を4分ほどのシングル曲において苛め込み作業をし、極上のPOPSに仕上げていたのがABBAの音楽面の世界で発見できる。

  MAMMA MIA』  WHEN I KISSED THE TEACHER

ABBAの楽曲でこの2曲と、PINK LADYの『ジパング』を並べて聴いてみると、ABBAの世界が『ジパング』から匂いたってくる。

ABBAをよくご存知の世代なら試していただきたいことがある。
PINK LADYのインストアルパム「ピンク・レディー・オリジナルカラオケ・コレクション」収録の『ジパング』を聴きながらABBAのボーカルが、爽やかに入ってくることを想像しながら聴いてみてほしい。『ジパング』が極上のPOPSであるABBAの世界観と共通していることが発見できるはずだ。

PINK LADYABBAの楽曲を国内外コンサートやアメリカでの番組で歌う機会が多かった。活動時期もほぼ同時期で、アメリカでの活動を強化した時期も同時期。付け加えてアメリカの様々なサイトでPINK LADYの事が書かれている場所を散歩していると、ABBAPINK LADYについての共通点を明記しているサイトが結構な数で見つけられる。

アメリカから観るヨーロッパ(ABBA)と日本(PINK LADY)の、当時のスーパースターという切り口が嬉しい。
     

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