本日のティスティング ABBA & BONEY-M = “PINK LADY”


TAKE A CHANCE ON ME / ABBA
Take A Chance On Me/ I’m A Marionette
January 1978 POLAR
ウォンテッド(指名手配)
阿久 悠:作詩  都倉俊一:作曲  都倉俊一:編曲
77/09/05発売(SV-6273)


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イントロが無い!いきなり歌声が流れてくる。

77年ABBA /アバがTAKE A CHANCE ON ME』(ABBAはアカペラ導入)で使った技法であり、その翌年にはDISCO SOUNDにインスパイアされ制作したというSUMMER NIGHT CITY』でよりABBAここにあり的な表現方法を世界中のリスナーに届けた。

ABBAが使った技法、歌から始まる楽曲PINK LADY / ピンク・レディー『ウォンテッド(指名手配)』で海外のミュージックシーンに影響を魅せた反応は、衣裳にも反映されABBAを意識した形で『ウォンテッド(指名手配)』が制作されていた。一方ボーカルスタイルも透明感があり高いトーンで表現するAgnetha Faltskog / アグネタ・フォルツコッグとMIE、ハスキーでマイナーコードの楽曲に魅力を発揮するAnni-Frid Lyngstad / アン ニフリッド・リングスタッド(フリーダ)とKEI。偶然にも声質のバランスが似ていた。ABBAの場合はコーラスを多重録音し声を厚めにレコーディングしているのに対し、PINK LADYは『脅威のユニゾン軍団』とあのスペクトラムのメンバーに賞賛されたユニゾンをベースに、サビで声質の違いをぶつけあうハーモニーを聴かせてくれる。パターン化したベースラインをあくまでもファンキーなフレーズで配置。P.FUNK系のアーティストが好んで取り入れるこのアレンジは、作曲者都倉俊一氏の手腕が光っている。

まだ、RAP / HIP HOPの認知が無い時代なので、セリフのように入ってくる二人のMC、特にKEIのしゃがれ声に注目してほしい。KEIのハスキーボイスを活かすといっても、KEIの声にディストレーションをかけエコー処理したような加工の作業はいくらなんでもやり過ぎだと思っていた。しかしこのしゃがれた声、どこかできいた事がある。BONEY-M / ボニーMの楽曲ほぼ全曲で、SE(効果音)として男性メンバーのしゃがれ声が聴けるのだが、まさにその声にそっくりに聴こえるようKEIの声を加工している。(都倉先生どうなのよ!)

ヨーロッパの数国で『WANTED』は発売されPINK LADYの二人が英語で歌っている。西ドイツ盤で聴けるKEIの声はそれほどBONYE-M仕様的加工はなされていない。しかし、なんとこの『WANTED』を当時西ドイツのグループCOSMIC GAL / コズミック・ギャルがカヴァーしている。アレンジもミュンヘンサウンドに衣替えされ、まさにBONEY-M的MCもしっかり入っているので中古市場等でアナログ盤を見つけた方はゲットして確認してほしい。

ヨーロッパ大陸でトップスターだったABBABONEY-Mの音楽的フレーヴァーをダウンロードした佇まいに仕上がっている『WANTED

PINK LADYファンの間でレア盤として話題のPINK LADYヨーロッパ盤『WANTED』、是非海外DISCO系オークションサイト等で見つけてほしい。
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