BLONDIE / CALL ME
SideA: CALL ME , SideB: CAKK ME(Instrumental)
日本発売1980年

(東芝EMI / Chrysalis-WWR-20700)
世界英雄史
伊藤アキラ:作詩  川口 真:作曲  川口 真:編曲
80/05/21発売(SV-7009)


視聴可能サイト

アメリカ3大ネットワークであるNBCでレギュラー番組出演の為、長期アメリカ滞在という経緯を通過して、久しぶりに日本のテレビに出演したPINK LADY / ピンク・レディーの姿は、アメリカのショービジネスを経験し、アメリカナイズされたPINK LADYの姿だった。

その時期に発表されたのが『世界英雄史』。ダンス、衣装、ヘアメイク、二人が歌い踊る雰囲気は、海外アーティストが放つ独特の佇まいを醸し出していた。

同じ頃『John F. Kennedy / J.F.ケネディーとMarilyn Monroe
/ マリリン・モンローの二人から隠し子として世に生を受けた女性』というある種イメージ戦略的なオーラを持つDeborah Harry/ デボラ・ハリーをボーカルにニューヨークのアンダーグラウンドシーンから出てきたバンド『BLONDIE / ブロンディー』が、世界的な成功を収めていた。彼らのサウンドはロックバンドというカテゴリーをぷち壊す個性で勝負していた。シンセサイザーを効果的に使うことでテクノポップの要素を取り入れながら、イギリスから端を放ったニューウェーヴ、パンクをもサウンドアレンジのスパイスにしていた。

ハードなギターのリフが耳に気持ちよく届いてくると同時に、べ一スと一緒にシンセ・ベースが淡々と流れてくる様が、Deborah Harryの強烈な個性を生かしたボーカルと同居し迫ってくるCALL ME』。Giogio Moroder
/ ジョルジオ・モロダーがプロデュースしているのだがギターとシンセを同居させるアレンジは、チープな作品になる恐れがあるがまさに、ROCKとDISCOの融合を試みたGiogio Moroderの独壇場!

世界英雄史』のアレンジ全編にGiogio Moroderの洗礼が降り立っている。このパターンは世界中のDISCO系アーティストたちがGiogio Moroderの洗礼を受けて作品にしている。西ドイツのARABESQUE / アラベスク『HELL DRIVER』を聴いてみてほしい。あら不思議!Giogio Moroderの汗臭くないROCK & DISCOが堪能できる。

78年の後半からアメリカ進出の準備がかかり『KISS IN THE DARK』を全世界40カ国で同時発売し、同じく海外進出用アルバム制作、プロモーションも含め、足掛け2年の海外プロジェクトを展開してきたPINK LADYが、アメリカから日本に帰国した時期の新曲として発表された『世界英雄史』。

この楽曲と同じ構成で楽器が配置され、サウンド展開を繰り広げているのが『世界英雄史』であると気がついたBLONDIEの『CALL ME』を参考にして作られたのなら、PINK LADYが2年間に渡り海外で活動してきた流れとして、PINK LADYのオリジナル曲、しかもシングル曲に洋楽のスパイスを色濃く出し始めてきていた事は納得できる。

BLONDIEは、1980年全米で放映されたPINK LADYの番組(NBC)にゲスト出演していた、音楽的影響を受けたアーティストであると言えるだろう。

     

Thanks!