第408回 温かい膝の上で

   平成12年 11月16日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

仏教壮年会の佐賀教区連盟が出来て、30周年の記念と、
九州地区のつどいが、佐賀市の文化会館で開かれました。


ご講師の清岡隆文先生は、蓮如上人がお書きいただいた
お手紙は、いまだに全国のご門徒に、「ご文章」として
読み継がれています。


50年前に、亡くなられた清岡先生のお父様の手紙を、
50歳を過ぎて始めて見せてもらったときの感動は、
とても大きなものでした。


電話だけではなく、親しい人へ手紙を書き、お法を伝える
ことが大事ではないか、そして、壮年会が中心となって、
お寺の新聞や、便りを作ろうとの呼びかけでした。


つづいて、アウトドア番組などで活躍の清水国明さんは、
自分の生活の基本になっているのは、子供のころ田舎での
生活や経験ではないかと思えるようになってきたという話です。

福井県の山間部で育った、清水さんの家庭は、おじいちゃんも
お祖母ちゃんも、お父さんも、毎朝正信偈を、お勤めをする
浄土真宗の本願寺派のご門徒だったといいます。


  寒い朝、囲炉裏の前に座っているおじいちゃんの
膝の上にのって、暖まった思い出は強烈で忘れる
ことはできないといいます。


大きな膝の上で、お爺ちゃんに体を預けて、囲炉裏で
暖まっている時に、おじいちゃんが、いつも耳元で
ささやいてくれたのは、
「おじいちゃんはどんなことがあっても、お前の味方
だからね。どんなに悪いことをしてもどんな失敗しても
おじいちゃんはちゃんと守ってあげるからね。」
との言葉だったといいます。

人間悪いことをするつもりでなくても、ついつい結果として
悪いことをしてしまうこともあります。
精一杯努力しても失敗することもあります。


それでもちゃんと味方になってくれる人がいるのだと、
失敗を恐れず生きて来られたのも、あのおじいちゃんの
温かい膝の上の思い出があったためだろうと、
思い当たり、人生に大きく影響していたと感じるとの話でした。



 この話を聞きながら、阿弥陀如来さまはどんな悪人でも、
どんな失敗をした人でも皆救いとろうという、温かい
お念仏の世界があることを、囲炉裏の前で孫に
伝えようとされた、おじいちゃんの智慧だったと感じました。


一人残らず救わねばおかぬという願い。
いつでもどこでも、どんなときでも、恐れることなく
精一杯生きなさい、必ず救う、心配することはないとの
阿弥陀如来の呼びかけに聞こえます。


お念仏の教えは、こうして家庭の中で、子供の頃から
伝えられてきたものだとつくづく感じました。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、11月23日に新しい内容に変わります。



          

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