第1252回 感じる力

平成29年 1月26日~

 考える力 感じる力 そして優しさが育った人は、宗教は人生にとって
不可欠な、最も重要なものであると感じておられるようです。
逆に 考える力が弱く 悩みも苦しみも、あまり感じることが出来ない人は 
宗教など自分とは関係ないもの、宗教の存在も意義も気づかないでおられるようです。


 若き日のお釈迦さまが、老病死に苦しみ悩む人々を知り、他人ごとではなく
自分のこととして受取り、その解決を求めて、妻を捨て子どもを捨て、国を捨て、
出家され、苦しい修行の結果、発見され伝えてくださったのが仏教です。


 ところで、多くの人々は、周りの人々の老病死に接していても、誰もが皆
苦しんでいる普通のこと、当たり前のことと、受け流し、
年齢を重ねて その苦しみが自分に降りかかってはじめて戸惑い、悩み苦しむものの、
その苦しみは、医学や科学で解決できるものと思い込んでいるようです。


 それに対して、宗教に遇えて、周りの人々のさまざまな想いが感じられ、
共感する力、深く考える力が育った人は、老病死の苦しみに出会っても、

慌てることなく、お釈迦さまが説かれた諸行無常の真実を素直に受け入れることが
出来るように思います。


 様々なご縁で仏さまのお話を聞くことが出来ると、限られた命が終わっても、
全てが無くなってしまうのではなく、新たな世界であるお浄土へ生まれ仏と成り、
仏さまと一緒に活動出来る、壮大な教えを受け取れることが出来、
人生はまるで違って見えてきて、喜びの内容、質が変わって来るものです。


 そして、先だった大切な人々は、生きている間だけではなく、仏となった
今も私の為に働きつづけて下さっていると味わえる力が受け取れると、
今私に何が起ころうと、すべて仏に成るための道を、順調に進んでいると
感じとることが出来るのです。


 死ぬことが終わりでは無く、新たな世界が始まる、そして、今まで以上に
活躍出来る力を与えられていくと感じられれば、どんな苦しみでも意味ある

素晴らしい経験と、苦悩を乗り越えていく力が、あたえられて、自分にとって
都合の良いことも、悪いことも、順調そのものであり、怖さを感じることなく、
安心した豊かな人生を送ることが出来るのです。


南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏を口にする生活は、考える力、感じる力、そして
優しさを育てていただき 喜び多い人間らしい生きる力を与えられる

大きなはたらきがある、私のための、私を救うための有り難い教えであると
味わえてくるものです。


          


           私も一言(伝言板)