第1242回 あなたがいて 私がいる

 平成28年 11月17日~

 秋の法座で、皆さんにお配りした施本「言葉のプレゼント」に
こんな内容がありました。


あなたがいて 私がいる

「お母さん 生んでくれてありがとう」
もし そういわれたら うれしいよね
そんなことはありえないと 思っていたけれど

ずっと前 仏教を勉強中の若かった息子が
先生から 生まれてきた意味を知りたかったら
親に「ありがとう」といいましょうといわれたとかで
ぽーつとテレビを見ていた私の背後で そういってみたらしい
らしい とは 私には覚えがない 忘れてしまってる
そんなに大事なこと いってくれてたのに
それで私 「なんて答えたかしら」と聞きかえしたら
「あなたがいてくれるだけで私はうれしい」と

やはり 一度はいっておきたい私の母にも
明日はいおう
「お母さん生んでくれてありがとう」
遠くなった耳には 届かないかなあ
いつものように筆談では なんとなく気恥ずかしい
でも 命あるうちに 九十五歳の母と私
いつ何時 それについては同い年
お別れのその日は
明日かも知れない 今日かもしれない

      同朋舎・言葉のプレゼント 北原光著 より



         


           私も一言(伝言板)