第1180回 出てる 出てるよ

 平成27年9月 9日 〜

お聖教を学ぶ勉強会で こんな話を聞きました。
ある先生とお説教に出講し、控え室から本堂へ向かって

歩いている時に、「出てる 出てるよ」と声をかけられた
というのです。

突然のことで慌てて「何がですか」と尋ねましたが、

「後で話すから」とのこと、衣の裾や、襟元から下着が
見えている、というのではなさそうで安心したものの、
気になり、ご法話を終わり控え室に帰って、
「何が出てたんですか」と尋ねられたということです。

すると先生は、にっこり笑って「お念仏が出てたんだよ、

南無阿弥陀仏が聞こえたんだよ」と答えられたそうです。

そして、自分が若い頃、なかなかお念仏が出なくて悩んでいるときの

ことを懐かしそうに話して下さったというのです。

おじいさんもお父さんも学者さんで、みんな南無阿弥陀仏、
南無阿弥陀仏とお念仏をしておいでなのに、若い自分はどうしても
お念仏が出ない、どうしたらいいのか、お父さんに相談された
というのです。

そして、数日後、縁側で爪を切っているときのこと
奥からお父さんが大きな声で、「出てる、出てる」と
叫ばれたとのこと、「何ですか」と聞き返すと、

「お念仏が出てた、南無阿弥陀仏が出てた、出てたぞ」と。

「あのときは、本当に嬉しかった、有り難かった。
さっき廊下で、君の南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏が聞こえたとき、
そのことを思い出してね」と、嬉しそうに懐かしそうに話していただいた
とのことでした。


         


           私も一言(伝言板)