第1168回 鬼は 私のなかにすむ

 平成27年 6月18日〜

今から100年ほどまえ、浅原才市という方がいました。
仏さまの教えをよろこぶ人でした。

 ある画家が、才市さんの肖像画をえがきました。
たいそう似ていたのでよろこんでくれると思って見せたのですが、

才市さんは「これはわしじやない。似ていない」というのです。

そして才市さんは、「わしは鬼じゃ。頭に角を二本かいてくれ」と
画家にたのみました。
画家が才市さんの頭に角をかいて見せると

「これこそ、わしじゃ」とたいへんよろこんでお礼を言つたということです.

私たちには、おこったり、ねたんだり、よくばったりする心があります。

才市さんは、その心こそ、自分のなかにすむ鬼だというのです。
そのような心をもった私たちを心配して「絶対に見捨てない。
かならずすくうぞ」とよびかけ、つつみこんでくださるのが
アミダさまなのです。
              (まえだ すみよ)
           親子で読める「ほとけさまのお話」より

親鸞聖人は おっしゃっています。
「 凡夫というは 無明煩悩われらが身に みちみちて、
   欲もおほく、いかり、はらだち、そねみ、
  ねたむこころおほくひまなくして、
  臨終の一念にいたるまで、とどまらず、
  きえず、たえずと、・・・・・・」

  
(「一念多念文意」 『註釈版聖典』693頁)第1169回

         


           私も一言(伝言板)