第1125回 供花のこころ  ~三十六百千億の光を出し~

 平成26年 8月 14日~

 仏さまにお供えする基本的なものに、お仏飯などの食物、
灯明、お花、お香がありますが、そのどれをとっても、
私たちの生活になくてはならないものです。

私たちのいのちを育み、潤いをもたらしてくれるものばかりです。

 このうちお花は、私たちのこころをなごませ、
すがすがしい気持ちにさせてくれます。
人類は何万年も前から、死者に花を捧げる習慣をもっていたと
いわれています。
花は人類の文化、とくに宗教と密接にかかわっていたのです。

美しいお花を、心からお敬いする仏さまに、感謝を込めて
お供えするのが供花ですが、『仏説阿弥陀経』には、
お浄土の菩薩たちは、美しい「曼陀羅華」の花びらを、
雨のように散らして、あらゆる仏さまを供養すると説かれています。
このように花びらを散らすことを散華といいます。

 ところで、仏壇にお供えしたお花は、同時に私たちに
向けられた、仏さまのはたらきをあらわすものなのです。
お花を、私たちのほうに向けて供えるのはそのためです。

お経には、「お浄土の池には、大きな美しい蓮の花が

色とりどりに咲いていて、青い花は青い光を、
白い花は白い光を放っている」と説かれています。
あらゆる「いのち」は、それぞれの持ち味のままで
美しく輝いているのだということを、知らせてくださって
いるのです。

 とくに蓮華は、泥沼に咲きながら泥にそまらず、

それどころか、泥沼を美しい花園に変えていきます。
仏さまの智慧も、私のみにくい煩悩を、尊い仏さまの
お徳に変えてくださるところから、蓮華を仏さまの象徴として
大切にしてきました。

 また、『仏説無量寿経』には、一つひとつの蓮華から、
三十六百千億という無数の光を出し、その一つひとつの光の中から、
また三十六百千億の仏さまが現われて、それぞれ十方の世界に至って
阿弥陀仏の本願を説きひろめているといわれています。

 お仏壇にお供えした花を通して、お浄土の花を想い、
阿弥陀さまのご本願のはたらきを、味わわせていただきましょう。

               本願寺出版社 朗読法話集より


         


           私も一言(伝言板)