第1099回 六神通の願  〜悩み苦しむ人々のために〜

 平成26年 2月 13日〜

阿弥陀如来のことが説かれている 浄土三部経のおつとめである
無量寿経作法」では 総礼頌という偈文を まず最初におとなえします。

つづいて三奉請 その後に 阿難尊者がお釈迦さまの姿を讃え
また質問する 五徳瑞現が続きます。
そして無量寿経の経段は 全部ではなく 四十八願の部分だけをお勤めします。


その四十八願の一つ一つを見ていきますと、まず第一願では、お浄土には 
地獄餓鬼畜生の三悪道がないとあり、また生まれ変わっても
地獄餓鬼畜生の世界に生まれ変わることがないと第二願にあります。

第三願は 悉皆金色の願 お浄土に生まれた すべてのものが 金色に輝く。
第四願に 姿かたちが まちまちで、美しいや醜くいといった違がないという

無有好醜の願(むうこうしゅのがん)が続きます。

そして、第五願からは神通力が説かれ、 宿命通を得て、限りない
過去のことまで知り尽すことができる 令識宿命の願 (りょうしきしゅくみょうのがん) 
が説かれています。

また、天眼通を得て、数限りない仏がたの国々を見とおすことが

できる 令得天眼の願 (りょうとくてんげんのがん)。
天耳通を得て、数限りない 仏がたの説法を聞きとり、すべて
記憶することができる 天耳遙聞の願 (てんにようもんのがん)。

他心通を得て、数限りない 仏がたの国々の人の心を 知り尽すことが
できる 他心悉知の願 (たしんしつちのがん)。
神足通を得て、またたく間に数限りない仏がたの国々を 飛びめぐることが
できる 神足如意の願 (じんそくにょいのがん)。

いろいろと思いはからい、その身に執着することがない
不貧計心の願 (ふとんげしんのがん)と 神通力が説かれています。

この六神通を味わいますと、お浄土へ生まれ 仏と成らせていただくと、
自分のことにとらわれず 悩み苦しむ人の 経緯や悩みの具体的な
内容をちゃんと知って、苦しむ人の姿を見落とさず、苦しみの叫びも
聞き漏らさず、声に出すことも出来ない者にも その思いに気づき、
もう じっとしておれず すべての人々を救うために、南無阿弥陀仏と
なって 自由自在にあらゆる所に届くことを 表現しておられると思えます。

仏になることは 自分のためではなく 多くの人々を救うため、
南無阿弥陀仏の働きとなって 今ここにはたらきかけていただいているのです。

それが お釈迦さまが説かれ、親鸞聖人が勧めていただく お念仏の教え、
私が救われる道であります。

妙念寺電話サービス 次回は 220日に新しい内容に変わります。


         


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