うさぎとかめ(イソップ童話より)
| かめのぬらーってあゆびよった。 | かめがのろのろあるいていました。 |
| そいば見よったうさぎのばかにしたごとゆーた。 | それを見ていたうさぎが馬鹿にしたように言いました。 |
| 「わが、がばい足の遅かにゃー。見とられんぼ。」 | 「きみは、なんて足が遅いんだ。とても見ていられないよ。」 |
| かめのはらかいて言い返した。 | かめが怒って言い返しました。 |
| 「そがんことなか。あんたいつでんせかーせかして、足の速かごと見ゆっばってん、いざてゆーぎおいが勝つくさ。」 | 「とんでもない。おまえさんはいつもせかせかして、足が速そうに見えるけれど、いざとなれば僕の方が勝つさ。」 |
| 「なんてー。そいないばどっちが早かか、駆けごろしゅー。」 | 「なんだと。そんならどっちが早いか、駆け比べをしよう。」 |
| 「よかぜー。そいぎ、あの山ん上に早う着いた方が勝ちぼ。」 | 「いいとも。では、あの山の上に先に着いた方が勝ちだ。」 |
| こがんして、うさぎとかめは駆けごろすっことになった。 | こうして、うさぎとかめは駆け比べをすることになりました。 |
| 「よーい、どん」 | 「よーい、どん」 |
| うさぎは、ぼすと飛び出たばってんが、かめはいつもんごとゆっくいあゆびはじめたけん、あっちゅーまに離されてしもうた。 | うさぎは、いきおいよく飛び出しましたが、かめはいつものようにゆっくり歩き始めたので、あっという間に引き離されてしまいました。 |
| しばらくしたぎ、うさぎは立ち止まって後ろば振り返ったばってん、かめはいっちょでん見えん。 | しばらくすると、うさぎは立ち止まって後ろを振り返りましたが、かめの姿が見えません。 |
| 「なんか。口はさかしかばってん、勝負にゃならん。そいぎ、ちょっとよくおーかね。」 | 「なんだ。口は達者だが、勝負になりゃしない。さて、一休みするか。」 |
| うさぎは道ばちゃ横になったぎ、そんままつんねえってしもうた。 | うさぎは道端に横になると、そのまま眠り込んでしまいました。 |
| かめは休まじあゆんだけんが、とうとううさぎに追いちーた。 | かめは休まず歩き続け、とうとううさぎに追いつきました。 |
| ねえとっうさぎの横ば通い抜けて、どんどんどんてあゆんで行った。 | 眠っているうさぎの横を通り抜けて、どんどん歩いて行きました。 |
| 「さぁてそいぎ、ぼちぼち出かくっか。」 | 「さて、そろそろ出かけるとするか。」 |
| よーよおずんだうさぎの山ん上にかけていったときゃ、もうかめはとっぺんにちーとった。 | やっと目を覚ましたうさぎが山の上へ向かって走り出した時には、もうかめは頂上に着いていました。 |
| うさぎはうっかい油断してつんねえってしもうたけんが、ぬらいのかめに負けてしもうたて。 | うさぎはうっかり油断して居眠りをしたために、のろまなかめに負けてしまったのでした。 |
| (こいでしみゃー) | (おしまい) |
1999.06.23