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「佐賀弁で読むイソップ童話」

肉をくわえた犬(イソップ童話より)

注:犬はいん≠ニお読みください。
肉ばくわえとっ犬の、橋ば渡いよったぎ、わが影の水に映いよった。 肉をくわえた犬が、橋を渡っていると、自分の影が水に映っていました。
犬はふうけとっけん、そいがわが影とはおーべーつかん。 馬鹿な犬は、それが自分の影だとは気づきません。
(ありゃ、おいよいかふとーか肉ばくわえとっ犬のおっぞ) (おや、おれより大きな肉をくわえている犬がいるぞ)
犬は、がばいうらやましゅーなった。 犬はとてもうらやましくなりました。
(よし、あいの肉ばおっとってやろう) (よし、あいつの肉をとってやろう)
犬は川に映っとっ犬ば睨みつけて、うううってうなった。 犬は川に映っている犬を睨みつけ、ううっとうなりました。
相手の犬も負けんごと睨み返した。 相手の犬も負けずに睨み返しました。
(がばいとごえとっ) (生意気な奴!)
犬はワンワンワンて吠えた。 犬はワンワンと吠えました。
そいぎんた、肉の川にうっちゃけて、じき流れていってしもうた。 その途端、肉は川に落ち、すぐに流れていってしまいました。
犬は、欲ばじゃーたけんが、せっかくの肉ばのーなかしてしもうたて。 犬は欲張ったために、せっかくの肉を無くしてしまったのでした。
(こいでしみゃー) (おしまい)

1999.06.11