覆面して街を歩けまっか?−個人情報狂想曲関西バージョン−

 個人情報保護法に往生してるお方結構多いんとちゃいますか。ワテもほんま往生してますわ。大体、「個人情報、個人情報」とがなり立ててるお方のほとんどが、
ろくに法律なんか見たことない人ばっかりとちゃいますか。ワテから見ると社会をバラバラにする悪法ですけど、それでも「個人情報」の「無断私用の禁止」や「隠匿義務」なんてどこにも書いてまへんでぇ。「個人情報は隠さねばなんねぇだ」とか言うてるそこの貴方、それ間違いでっせ。

 個人情報保護法第2条の定義によりますとね、個人情報といいますのんは「生存する個人を識別できる情報」だそうです。例えば氏名、生年月日だけでも個人情報となりまんにゃわ。言うたら
「個人識別」のための情報ですね。それだけ知ったとて、いったい何の得になり、ドンだけ失うモンがあるんでっしゃろか。個人情報には、それ以外に「ほっといてくれよ」という権利もおまっせ。いわゆるプライバシーっちゅうわけですね。背中に入れ墨持ってるとか、以前盗っ人したとかから始まって、変な癖やら、趣味、いろんなヒミツ、内緒事等々、「別にアンさんに関係おまへんやろ」「迷惑かけてないやろ」「ほっといてんか」ちゅうやつですね。あんまり人に見せとうない事って誰でも結構ありますがな。

 ところで、当たり前のことやけど、誰でも人前で素っ裸で歩けませんわね。そこで普通の人間なら人前に出るときには服を着るわけですわ。イチイチ言わんでもわかってることですけど、覆面したりしませんわね。なんぼ人前に出るのんが恥ずかしいいうたかて、覆面しませんよね。
 しかし、人間何が起こるか分かりませんから、脅されたり強制されたりして、どうしても裸で人の前に立たされる羽目になったとしましょう。そんなときでも顔さえ隠させてもらえるなら、何とか我慢できますやろ。たとえは違いますけど、巡査はんに腰縄で引っ張って行かれるときでも、せめて顔だけでもかくしてもらえば助かりますわちゅうわけで、テレビで見てると犯人が連行されるときに頭からジャンパーかけてもろうてますね。要するに、裸やら、犯罪やら、人に知られとうないことがあっても、誰の裸か、誰の犯罪かわからんかったら「マアええか」ちゅうわけですね。

 ワテに言わせてもらえば、
顔が「個人識別情報」で裸が「プライバシー」ですわ。両方が結びついて初めて「コラかなわんワ」となるのんとちゃいますか。それやよって、普通の生活ではプライバシーの部分は隠してますわな。でも顔はかくさしまへん。無論、顔かくして裸で歩くちゅうようなお人は普通おりませんやろけど。

 要するに、「個人情報」がどうのこうのちゅうて、「名前も、性別も、年齢も個人情報やさかい出したらアカン」と法律もよまんで騒いでるヤツとかは、
「服着ただけではアカン。覆面もせんとアカンでぇ」というてるようなモンですわ。どこぞの世界にみんながみんな鞍馬天狗みたいに、覆面して顔かくして行き来してますの。アホもええとこや。エエ加減にしときや。しまいに怒るで、しかし。ジャン、ジャン。



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