昨日の悪夢

 昨日イヤな夢を見た。街角に群衆が集まっている。よく見ると、その中心で演説しているヤツがいた。赤い色の旗をそこらじゅうに立て、大量のビラを配りながらの大演説。身動きできないほどに集まった群衆は、耳をそばだてて一心に演説を聴いている。よく見ると何とその演説者から少し離れたところで暖かい拍手を送っている長い白髪の男がいた。どうも○泉総理に似ているがはっきりは分らない。

 目を見開き確信に満ちた口調で演説者は以下のようなことを繰り返し訴えていた。

理性ではなく感情に訴えよ!
 我々○○主義者が大衆や労働者の中に入って、政党や組合の組織を作ったり、その強化や拡大をはかったりすることをオルグ(organizingの略)という。

 理論オルグは、大衆には効果は薄い。感情オルグこそが、大衆に対して抜群の効果を発揮するのである。相手に強烈な恐怖感・危機感をおこさせる内容の情報を与え、逃れるただひとつの方法が自分たちの活動に参加することだと主張せよ。現在の生き方への不安や罪悪感を植えつけ、そのままでは地獄に落ちるというイメージを徹底的に刷り込むべし。さらに、地獄から逃れる道は、組織化されることによって生ずるのだと大衆の脳裏に焼き付けよ。そのために、都合のよい事実のみをあげ、都合の悪い事実は徹底的に隠すべし。

特定の個人や団体を「悪の権化」とせよ!
 自分たちの組織の団結を強化するために、攻撃対象の個人や組織・団体を悪の権化に仕立て憎悪や恐怖の感情に訴えるレッテルを貼るべし。すべての悪の責任をそれに負わせ、それを打倒するという目標を立てよ。自分は大衆の立場に立っているのだと強調せよ。

集団行動を通じて大衆を動員せよ!
 大衆文化や集団的レクリエーションをイベントとして実施し組織拡大をねらうべし(文化オルグ)。大衆の参加したくなるようなデモとかセレモニーとかを行って大衆を集め、一体感を高めるべし(行動オルグ)。

議論をすり替えよ!
 質問の意味を勝手にすりかえるべし。「連携という言葉が(例:使い古されていて)嫌いです」という発言には、「あなたは連携(すること)が嫌いのようですね」と返す。部分に対してのみ妥当することを一般的に成り立つことのように言うべし。あるいは、例外的なことをあたかも一般的なことのようにいうのだ。「エリート(の中に)は性格が悪い(ヤツもいる)」というのを「エリートは(全て)性格の悪いヤツである」というすり替えを行え。

 長々と答え、相手があきれ疲労退屈し、再度質問する意欲を失わせよ。

無意味に「なぜ」という質問をせよ!
 実証的証拠を持った説に、観念的な可能性を言い立てて、あたかも五分五分の論争が存在するかのように言うべし。不存在の立証を求めよ(「〜でない証拠を出しなさい」)。

 相手の提起や質問に窮したときは、あまりにも明らかなことに対して無意味に「何故」を繰り返すべし。論理が破綻している事でも、訳の分からない事を繰り返し叫ぶ事で真実と相殺できるのだ。

単純化と反復こそ宣伝の神髄だ!
 巧みな宣伝を絶えず用いれば、人々に天国を地獄に見せることも、その逆に、もっともみじめな状態を楽園のように見せることもできるのだ。だから「常套句スローガンを繰り返すべし。」、「わざとらしく笑うべし。」、「大袈裟に驚くべし。」、「相手のいうことを聞くなかれ。」、「相手の言葉を遮るべし。」、「さくらを動員して相手を封じるべし。」

ありとあらゆる権威、威光を利用せよ!
 大学教授、弁護士、有名な作家、マスコミ露出度の高い学者、大衆受けする芸能人などを総動員して自分たちの正当性を証言させるのだ。



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