禁煙主義者の本音

 WHOをはじめ、世界中でたばこの害について警鐘を鳴らし、現行の規制に加えて何らかの法的規制を加えるべきだという主張が従来にもまして強まってきている。余り一般には知られていないものの、日本においても「健康日本21」という健康作り計画が策定されており、それに基づき各県や市町村において「健康プランが策定」されつつあるが、その中でも禁煙の目標値の設定について様々な議論を呼んでいる。
 目標値の設定に反対を主張するのは、言うまでもなくたばこによって生計を立てている人たち、つまりたばこを生産する農家、加工業者、販売業者等々である。それに対してたばこに反対し喫煙を規制すべしと主張する人々も当然多い。「癌や心臓病等全身の様々な病気の原因となる」「そのため医療費を押し上げ結局のところたばこによる税収入を上回るので経済的メリットもない」等々、なるほどという意見が多い。
 さて、筆者は生まれてこの方たばこを一本たりとも吸ったことはない。しかし、どうも禁煙運動を進める人々に同調する気持ちになれない。自分でもどうしてかよく分からなかったのだが、おそらく禁煙運動を行っている人々の「建前」と「本音」が乖離していると感じるからであろうと思うようになった。かれらは恰もたばこを吸う人々の健康に気遣い、あるいは医療費の高騰を憂いているように言う。最近では「副流煙」が周囲に及ぼす害について強く主張するようになった。しかし、本音の部分では、他人の吸っているたばこの煙が不快なだけではないのか。あるいは、たばこを吸うことにかこつけて仕事をさぼっていることに対する反発とかもあるのかも知れない。
 筆者も隣でたばこを吸われるとたまらなく不快で、禁煙の指定席が取れずやむなく喫煙車両に乗ったときなどは激しい頭痛に見舞われ時には吐き気まで催す。また今までに二回ほど歩きながらたばこを吸う奴らに一張羅の背広を焦がされたことがある。よって筆者はたばこを吸う連中が嫌いである、しかし決して喫煙者の健康に気遣っているのでもなければたばこそのものに反対なのではない。要するに、ある一定の隔離された場所で吸ってくれればいいのである。だが本当のところを言うと、それはどだい無理な話なのである。何となれば、習慣的喫煙者はたばこの主成分の一つ「ニコチン」に対する薬物依存を形成しているので、自己の意思で喫煙行動をコントロールすることは至難の業だからである。



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