「しばいたろか」ファイル

ファイルNo.1
教訓:「土建屋と公務員の癒着には常に目を光らせなければならない。癒着を発見した際には可能な限り証拠を記録すべきである。」


24年ほど以前、中部地方のN県M市の水道局が業者と「つるんで」いたこと。

 中部地方のN県の中央に位置するM市の南浅〇というところに、払い下げられた古い市営住宅があった。その内の一軒が空き家になっていたのを見つけて借りていた。ある時、住宅に面した市道で下水道の工事が始まった。施主はもちろんM市水道局である。下水道の管を埋めるためアスファルトを切るカッターが用いられた。カッターの刃を冷やすためには水が必要である。筆者はそのとき学生であったため昼間家にいなかったのだが、ある時ふと借家に帰ってみると、我が家の玄関脇の水道栓にホースがつながっている。ホースをたどってゆくと何と土建屋が使っているアスファルト切断用のカッターにつながっていた。筆者は気が弱く土建屋のオッサンにその場で抗議ができなかった。翌日もまた翌日も同じように無断で我が家の水道が工事に使われている。今度は筆者が自宅にいるにもかかわらず堂々と作業員のオッサンがバケツに水を汲みに来た。今度ばかりは気の弱い筆者もその場で抗議をし、さらに水道局の担当者に電話で抗議した。「調べて電話します。」とのことであったがいっこうに電話がないためこちらから尋ねると。「社長に聞いたらそんなことするわけないと言っていた。言い掛かりだろ。」とのこと。怒り心頭に発して「じゃあどうやってカッターを冷やすのだ」と聞いてもただせせら笑うばかり。当時貧乏学生だった筆者は証拠写真を撮るすべもなく泣き寝入ってしまった。その後別の用事で水道局に行って驚いた。すべての職員のデスクの上に「某特定政党」の機関紙が置いてある。さすが「正義の味方」の支持者は違う。土建屋としっかりつるんでおられたのだ。

ファイルNo.2
教訓:「民間で可能なサービス、民間に任せた方がよいサービスから公は手を引くべきである。」


以前、S県S市の市営バスに乗ったときのこと。

 筆者はS市の市民であったとき、通勤時、市営バスを利用していた。ある冬の日、駅のバスセンターで降りると運転手が「整理券が途中で引っかかっているじゃないか。ちゃんと入れろ。」とほざいた。最初は呆気にとられてそのままバスを離れようとしていた筆者だが、さすがに戻って抗議した。しかし、バスはさらに次の目的地に向かう予定であり乗客も乗っていたため長く引き留めるわけにはいかなかった。バスセンターの職員に抗議したところ「調べて連絡します」という。しかし連絡がないためこちらから電話すると「言いがかりだ。」という。それでも一生懸命に具体的に事の次第を説明した。しかし、謝るどころか筆者の電話の言葉遣いが悪いなどと逆に言いがかりをつけてくる。筆者が自分の職業を名乗り職場を告げると手のひらを返したように、事実関係を認め交通局のお偉方が筆者の職場に謝りに来た。冬場の通勤時に筆者は安物のジャンパーを用いていた。おつむの程度の低いやつは人を身なりで判断する。頭のよいものは「顔」で人間を判断する。リンカーンの逸話が思い出された。それにしてもバス経営など民間に任せればよいのだ。病院もプールもない市民税だけが馬鹿高い市にもほとほと困ったものだ。

ファイルNo.3
教訓:「家を建てるなら地域密着型の工務店のほうがまだましである。」


M井ホームで家を建てたときのこと。

 すこし前、筆者は自宅を新築した。業者を選定する際、住宅建築の本を買て来て読んだり、経験談を聞いたり、実際現場を見たりして十分慎重に対処したつもりであったが、結局は展示場の見かけや営業担当の言葉に惑わされていたようだ。筆者が契約したM井ホームは、設計やインテリアコーディネーターはよかったと思うが、肝心要の大工や左官、外壁屋などの職人がさっぱりだめであった。何しろ水平や直角がまともに出ていないのである。ビー玉を乗せると自然に転がってしまうようでは、腹が立つより呆れてしまう。しかし、そこまでは何とか我慢できる。本当に腹が煮えくりかえるのは工事の監督をすべき工事担当者(筆者の場合はKと言うやつだったが)に誠意のひとかけらも存在しないことである。営業との間の約束であった工事中の写真撮影を拒否する、当然のようにほとんど現場に来ない、こちらが工事の不備を指摘しても業者に指示しない、明らかに見てわかるミスもこちらが素人と高をくくって相当強く言うまで直さない、等々あげればきりがない。先年台風の直撃を受けた際、天窓から雨が滝のように流れてくる。翌日の午後ようやくM井ホームの担当者と下請け業者が来たが何と工事の単純なミスであった。外壁の継ぎ目はすぐに割れてくる、トイレのドアを自然に開く、もう大変である。おまけにアフター担当の責任者と称するやつの態度の横柄なこと横柄なこと、言語道断である。そこで教訓、「住宅建設は宣伝費ばかりかかって二流の下請け職人しかいないプレハブメーカーには頼まない方がいい」「悪い噂が出れば潰れてしまうような地元の工務店でたのむ」「少々金がかかっても設計管理を委託する」「契約書に必ず建築現場に立ち入り写真およびビデオ撮影を行ってよい旨明記させる」、「苦情は平の担当者に言っても握りつぶされるので重役クラスに直接いう」を得た。ついでにM井ホームの契約者には私立医大出身のドクターが多いそうだ。しかし、それにしても「M井ホーム」には参った。

ファイルNo.4
教訓:「JRの切符は親切な対応の旅行会社で買うべし。」


JRの窓口で

 ある時、S駅から北九州市に出張した。駅の窓口で「小倉まで行きたいのですが、最もお得な切符の組み合わせは何ですか」とたずねた。当時も今もJRでは、「とくとく切符」なるものを発売してさんざん宣伝をしていた。このことをふまえての質問であることは駅員なら当然わかるはずである。しかし、このJRマンさん「そりゃ普通切符が一番安いねー」と、ニタニタ笑いながらのたまう。いやはや、JRになっても長年培った国鉄魂は永遠に不滅です

ファイルNo.5
教訓:「社交辞令も相手の性格や地域文化を考えて程々にすべし。」


社交辞令

 20年ほど前のこと、卒業してすぐに赴任した町がたまたま同級生の自宅のあるところであった。サービス精神旺盛な筆者、なにを思ったか「結婚式でもあるときには参列させてもらうからな。」などと社交辞令のつもりで調子の良いことを言った。ところが一年もたたない内に本当に結婚式の案内が来た。行きがかり上出席したところ、数人の友人の前でその同級生から「おまえが呼んでくれと言ったから招待してやった」と言われてしまった。予定外の出費の上にこの台詞を浴びせられ心外きわまりなかった。社交辞令も程々がよいと思い知らされた。

ファイルNo.6
教訓:「国立大学の事務職員には、ちんけな悪が多い」


ある大学の事務職員たち

 21年ほど前のこと、N県の中央に位置するM市にある某国立大学の卒業式。式典の後卒業証書を入れる筒が配られた。しかし、全員ではない。「ロッカーのカギを返却していない人には筒はあげません。カギと引き替えに差し上げます。」とのこと。すぐさま自宅に帰ってカギを事務室に持参した。すると「もう筒はない。」という。要するに始めから用意していなかったのだ。筒を買わずにうかした金は連中の飲み食いにでも使われたのであろう。そういえば、昼休み、大学のグランドはいつも事務職員に予約されて学生はほとんど使えなかった。しかも連中昼休みになると同時に野球のユニホームを着てグランドに飛び出してきていた。昼食や着替えは,勤務時間内だと言うことである。ええかげんにせい。

ファイルNo.7
教訓:「馬鹿にされてまでブランド品を買いあさるなかれ」


パリのシャネル本店にて

 8年ほど前、ヨーロッパに行ったときのこと。お上りさんらしく、パリの有名ブランドが軒を連ねる通りをショッピングして歩いた。シャネル本店にはいると結構閑散としていたが、何か土産でも買おうと店員に声をかけたが知らん顔。しかたなくほかの店員に声をかけようとしたところ、東南アジア系のご婦人に先を越されてしまった。対応した店員は、ほぼ30分にわたって説明やらなにやらしたあげく、そのご婦人は一本の口紅を買って去った。さあ次は俺の番と思いきや、後ろでさんざ待った筆者を尻目にその店員はさっさと立ち去ってしまった。がっくりきた筆者は日本語がわかる店員を発見した。その店員は別の東洋人を相手にしていたがちょっと対応に間が空いたので声をかけたところ、「待ちなさい」と怒られた。さすがの筆者もこれほどの傲慢な態度に接しては頭にきた。その話を同行のメンバーに話したところ、「シャネルだから偉そうにされてもしかたないわよ」と大阪のお金持ちのご婦人。筆者は情けないやら呆れるやら。こちらは客それも大量の品物をこともなげに買ってかえるお得意さんの日本人である。店員に傲慢な態度で接せられて仕方がないとは、卑屈も卑屈、国辱的な卑屈さではないか。たった一本の口紅を30分もかけて東南アジアの女性には売っている。それに対して、「適当に対応していても、卑屈な成金である日本人は大量の品物をありがたがって買い込む馬鹿たちだ」とタカをくくられているのである。怒るべし日本人。

ファイルNo.8
教訓:「愚か者は身なりで人を判断し、賢者は顔で人を判断する」

無券の証

 平成5年頃であったと記憶しているが、山陰地方のとある市立病院に勤務していた頃の話である。筆者はそのころ表日本の某大学のある医局に所属していたのだが、ある時、医局の「同門会」に出席するため、勤めを終えたあと、安物ジャンパーを羽織ってJRの駅に走り込んだ。一日に数本しかない急行列車に乗り遅れれば万事休すである。駅に着いたのは発車ぎりぎりの時間。切符を買う時間などない。そこで改札の駅員に「無券の証を下さい。」と言ったところ、その駅員は筆者の頭から足の先までをじろりと眺め「切符を買ってこい」という。怒髪冠を衝かまいことか、「もう一回ゆうてみい。もし乗り遅れたらアンタのせいだぞ。」というと、くだんの駅員途端に軟化して「どうぞ」ときた。興奮冷めやらない筆者は「顔を見てものを言え。俺が不正をするように見えるか。」と一喝してやった。人を身なりで判断しやがって、このテイノウ野郎!!頭に来ているうちに目的地に到着。あ〜しんど。

ファイルNo.9

教訓:「猜疑は人を不幸にする」

薬剤アレルギー

 確か平成2年頃であった。大阪は豊中市のとある民間病院でのお話。ある夜、発熱と寒気、頻尿、残尿感等を訴えた婦人が夫に伴われてやってきた。夫曰く「膀胱炎ですから薬を下さい。」。筆者「ハイハイ、わかりました。」(苦笑)。夫「薬に対するアレルギーがありますから、弱い薬にしてください」。筆者「アレルギーは薬効の強さとは関係ありません。ご心配でしょうから一晩だけ入院してください。アレルギー反応が出なければ明朝退院すればいいですから。」。夫「何で入院させるんだ。黙って薬をだしゃ良いじゃないか。」。筆者「注射剤なら皮内テストが出来ますが、飲み薬は出来ません。たまたまその薬に対するアレルギー反応が出た時に対処できませんから。」。夫「だから弱い薬出せと言ってるんじゃ。」。・・・Fフイルムの社員様であるという夫は納得せず、怒りながら帰宅していった。
 ここからは筆者の推測であるが、Fフイルム社員と言うことで、X線フイルムの売り込み等で、もしかしたら医療機関に出入りしていた人なのかも知れない。どこかでいい加減な医者に出会ったのかも知れないし、医療の「汚い側面」を見たと思っているのかも知れない。ただマスコミ報道で医師に対する偏見を抱いていただけかも知れないが、いずれにしろ猜疑心の強い性格が禍し、しかも素人知識に安易に頼って、人の親切を理解できず、結局は損をするタイプの人間だと思う。



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