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PINK LADY / ピンク・レディーの二人が当時、フェイバリットアーティストとして名前をあげていたグループ『THREE DEGREES / スリー・ディグリーズ』(3D)、黒人女性3人の厚いコーラスワークは、PINK LADYの歌いっぶりから影響を受けていたことがみてとれる。
その3Dの作品に関わっていた日本人プロデューサーが存在している。
深町 純 氏!
3Dの作品を手がけた深町氏がPINK LADYの作品を手がける、これは事件である。
またこの時期、深町氏はフィリピンの女性3人組み『PASSIONATA / パッショナータ』も手がけている。パッショナータは、フィリピン国内の最も権威のある音楽祭、マニラ音楽祭でグランプリを受賞。そしてあのMARVIN GAYE / マービンゲイのオープニングアクトを務める一方でメトロミュージックフェスティパルにゲスト出演、1978年にフィリピンで発売された『ディスコ・アロ・アロ』はチャート1位にランクイン。
日本でも深町氏が手がけたDISCO TRACK『HIMIKO』、『LUNA LlUNA』がHITし、東京音楽祭世界大会にフィリピン代表でノミネートされた。(この時のグランプリがDIONNE WARWICK / ディオンヌ・ワーウイック)

PASSIONATA
「HIMIKO(卑弥呼)」
「火星と金星の陰謀」 |
1980年東京音楽祭では「LUNA LUNA」でノミネート |

1978年発売(SV-6648)
ビクター音楽産業 |
フィリピンのスターと聞くとピンと来ないかもしれないが、彼女たちの復刻CD(79年作品)が現在ディスコフリークの方々の間で高値で取引される程の存在である。深町氏はPASSIONATAの日本でのサウンドプロデューサーという立場でPASSIONATAの関わりを持った。
深町氏が日本の音楽シーンにおいて当時、どういった位置を占めていたプロデューサーだったのか理解すると、PINK LADYの日本国内での唯一オリジナルアルバムにおいて、オープニングとエンディング曲を深町氏が手がけている大きな意味合いを無視することは出来ない。
オープニング曲でPINK LADY本人達による“MC”を思い出していただきたい。『世界に向けて音楽の旅を・・・』といったテーマを語っている。これはまさしく世界進出に動き出していたPINK LADYのメッセージである。
AORなサウンドで黒いフィーリングも加味した仕上がりになっているのがさすが深町氏、しかも79年というこの時期にデジタルレコーディングというのも深町氏が世界レベルのアーティスト達と仕事をこなしてきている懐の深さと言うべき部分だ。
PINK LADYの二人がアメリカでのレコーディングを経験している時期でもありMICHAEL LLOYD/マイケル・ロイド(USでのPINK LADYプロデューサー)から口移しの歌唱法として習得したウィスパーヴォーカルも深町氏のサウンドと相まって品のあるゴージャス感がたまらない。
そして、PINK LADYのボーカルの後ろから聴こえてくるバックコーラス!!
アルバムのクレジットをみても参加ミュージシャンの全てが掲載されておらず、確認できない部分なのだが、DISCO MUSICに精通'している方々なら、耳を疑うはずだ。そう『PASSIONATA』のバックコーラスが聴こえてくるでないか!
「深町 純 氏よ〜、あなたはPINK LADYのアルバムに、いったいどれほどの音楽的フレーヴァーを加えてくれたのでしょうか!!!」

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