第1100回 恩を感じる能力  〜積極性を呼び覚まさせる〜

 平成26年2月20日〜


 子どもの頃は 自分のことしか考えられませんが、大人に成るということは
周りの人のことを考える力が育つことです。
そして、親に成ると 自分のこと以上に 子どものことを考えるものです。


数々の失敗や成功を繰り返して、成長していくものですが、
現代の子どもたちは 折角のチャンスが奪われて
いるのではないかと思います。

大人たちが先回りして 転ばないようケガしないよう失敗しないようにと
注意を払いすぎているためです。
嫌なこと大変なこと難しいことは、大人たちが全部処理してしまい
子どもには 勉強だけを強いていることが あるのではないでしょうか。

人間が必ず経験する老病死についても、家庭の中から消えて
子どもの目の届かないところにあるものです。
誕生も病気も死も病院、核家族となって祖父母の老いを子どもの頃に
実感することも少なくなっています。

子どもには迷惑をかけたくないと、葬儀は簡単に お墓は自分たちで
準備しておく等、子どもが経験するべき大切なことを
みんな取り上げてしまっているのではないでしょうか。


大変なこと嫌なこと難しいことだからこそ 経験させておいた方が
子どものためになるのに 全部親が肩代わりしてしまっています。

自分が老いていくこと 病気になること そしてやがて死ぬことを
親は 子どもにはっきりと見せてやることこそ、
親の役目であり、本当の大人になるための身近な教材だと思います。

親の葬儀を経験して 参列者の話から真の親の姿をはじめて知ること
それは 親から受け継いだ様々な性格や能力を自分の中に
発見する尊いご縁でもあります。
出来るだけ多くの人に参列してもらうことが、子どもにとっては
本当の自分自身を知ることにつながるものです。

今度のオリンピックでも さまざまな物語がありましたが、その多くが
親のため 兄弟のため 自分を育て指導してくださった方への
恩返しを口にする人が多かったものです。

恩を感じることの出来る能力を開発してあげることも親としては
最大の財産を残すことになると思います。
恩を感じる力は 積極性、持続性を育てることになるものです。

親は生きている間だけではなく 死んでからも仏教行事を通じて
子供たちを教育することが出来るものです。

恩を感じる力を育てることは、前向きで積極性を身につけさせる
最も近道です。

南無阿弥陀仏は この私に積極性を呼び覚ませる 有り難い言葉です。
親から受け継いだ大切な宝物です。


  妙念寺電話サービス 次回は2月27日に新しい内容に変わります


         


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